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Ryuichi Sakamoto X Alva Noto Rocked Copenhagen!

Ryuichi Sakamoto and Alva Noto performed a concert at DR Koncerthuset on 28.05 (Sat.).

I hereby attach an article about them which I wrote on www.copenlife.org before their performance. (in Japanese)

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坂本龍一の世界的な知名度の高さというものを、ヨーロッパに来て逆に知らされた気がする。

ある著名なデンマーク人作家に、あなたのクールだと思う日本人の名前を挙げて、と聞いたところ、Takeshi Kitano , Ryuichi Sakamoto の名が、間髪容れずに返ってきた。映画界、音楽界から各1名ずつ、これに文学界から Haruki Murakami が加わって、この日本人三つ巴が世界レベルで各界において席巻しているのが現状といえるだろうか。

そんな坂本龍一が、来る5月28日、DR Koncerthuset にてパフォーマンスする。共演は、エレクトロ界の鬼才、Alva Noto。本名 Carsten Nikolai、1965年生まれのドイツ出身。いや、正確には旧東ドイツ出身か。Wikipedia のドイツ語サイトによると、学生時代はドレスデンでランドスケープ・アーキテクチャーを学んだとあるから、なかなか面白い経歴の持ち主だ。

ドイツのエレクトロシーンは Kraftwerk, Einsturzende Neubauten のパイオニア達の名前を出すまでもなく、かなり早い段階から前衛の旗手の役を担っているし、そういったバックグラウンドを持って活躍してきた Alva Noto と、1978年にイエロー・マジック・オーケストラ (YMO) を結成し、シンセサイザーとコンピューターを駆使した斬新な作曲法で音楽界を興奮の渦に巻き込んだ坂本龍一のコラボレーションというのは、当然の帰結なのかもしれない。

ちなみに先に挙げたドイツのバンド、Einsturzende Neubauten のヴォーカル、Blixa Bargeld とAlva Noto は共演を果たしており、2009年にはコペンハーゲンの Marmorkirken でも演奏している。 artFREQ という音楽マネジメントを主催する、友人の Lars Top-Galia が彼らを招聘し、企画運営。大成功に終わった。

さて、今回コンサートが開かれるのは DR Koncerthuset。300ミリオンドルという天文学的数字の建設費を叩き出し、完成当時はスキャンダルとまで言われた。

大ホール内部は舞台をぐるりと客席が囲むパノラマ式。ベルリンフィルに影響を受けたというだけあって、よく似た造りだ。音響設計は日本人の豊田泰久 氏が総指揮を取った。あれはオープニングガラの折だったか、幸運なことに豊田氏とお話する機会があり、いろいろ話しているうち、彼が日本で手がけたサント リーホール、京都コンサートホールなどで私も演奏していることが分かり、嬉しく思ったものだ。

この DR Koncerthuset では、クラシックだけではなく、今回のコンサートのように、エレクトロ、ロック、そしてポップなど、ジャンルを問わずにさまざまなコンサートが演奏されて いる。このようなカタチでコンサートホールが活性化されるのは、とても有意義なことだと思う。ロックに比べ、クラシックのチケットセールスは伸び悩んでい る上、観客の年齢層がかなり高い。どこも、若い世代を引き込もうと涙ぐましい努力を重ねている。こんな折、若い世代にもリスペクトをもって愛されている坂 本龍一のコンサートが DR Koncerthuset で開催されるというのは、クラシックコンサートが演奏されている場に若者たちが関心を向ける素晴らしい機会となり得る。

坂本龍一、1952年、1月17日生まれの59歳。ということは、1987年、映画「ラストエンペラー」で日本人初のアカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞した折はまだ30代半ばにさしかかったばかりだったのか。あれから4半世紀が経った今、彼が一体どんなパフォーマンスをするのか、足を運ばないわけにはいかない。

Sakamoto & Alva Noto: 2011年5月28日(土) 21時 DR Koncerthuset

牧村英里子

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