½12 KAMMERKONCERT

erikomakimura.com

(photo: taken at Hotel Nimb)

21. oktober 2012 kl. 11:30
DKDM – Carl Nielsen Foyeren

Det Kgl. Danske Musikkonservatorium

Rosenørns Alle 22, 1970 Frederiksberg C

César Franck / Violinsonate i A-dur
– Violin: Andreas Orlowitz
– Klaver: Elisabeth Westenholz

Francis Poulenc / Sonate for fløjte og klaver
– Fløjte: Kristina Ersson
– Klaver: Hanne Mulvad

Nadia Boulanger / Trois morceaux
– Cello: Richard Krug
– Klaver: Eriko Makimura

Robert Schumann / Stücke im Volkston op. 102
– Cello: Richard Krug
– Klaver: Eriko Makimura

Rodion Shchedrin / Quadrille from the opera “Not love alone”
– Cello: Richard Krug
– Klaver: Eriko Makimura

Gioacchino A. Rossini / Sonate nr. 3 i C-dur
– Violin: Jeanine Markley
– Violin: Robert Vadasz
– Cello: Steffen Helmuth
– Kontrabas: Troels Nielsen

Introduktioner: Carsten Wiedemann

Mourning Lilies

noh-mask and lilies

Program Note for The Concert on September 2006

I just discovered program note which I wrote  for the concert on September 2006.  6年前のコンサート曲目解説。筆致に硬さは残れど・・・。

J.S.バッハ ”フランス組曲第5番” BWV 816 ト長調

” 音楽の父”と讃えられるバッハだが、彼ほど家庭を愛した音楽家も珍しく、最初の妻マリアとの間に7人、2番目のアンナ・マグダレーナとは13人(!)の子 をもうけた。バッハの眠るライプツィヒの聖トマス教会には、今もバッハファンの参拝者が絶えない。至る所にバッハの足跡残るライプツィヒは未だ旧東独時代 の名残が覗えるが、バッハを始め、シューマン、メンデルスゾーンといった大作曲家たちが住んだ、音楽家にとって重要な都市である。晩年のメンデルスゾーン が住んだ家でコンサートを弾いたことがあるが、本当に感じのよい、趣味に満ちた邸宅であった。”フランス組曲”は極度に洗練された瀟洒な組曲で、コンサー トの冒頭にふさわしいと思われる。

ラフマニノフ ”愛の悲しみ” 、”愛の喜び”

オ リジナルは、作曲家で優れたヴァイオリニストでもあったF.クライスラーによるヴァイオリンとピアノのための曲。いかにもウイーン風の洒落たワルツのリズ ムと甘いメロディーが、今日でも皆から愛される由縁であろう。ラフマニノフによってピアノ用に編曲されたが、彼はこの超名曲に独自のスパイスを加え、かつ 技術的にも(特に”愛の喜び”では)グロテスクと言ってもよいほどヴィルトゥオーゾとしての技をちりばめた。ラフマニノフは、1917年のロシア革命勃発 後、アメリカに亡命。71歳の死まで25年間、その地で作曲家およびピアニストとして活躍。自分に市民権を与えてくれたアメリカ合衆国に対して感謝を忘れ ず、自ら合衆国国歌、”星条旗よ永遠なれ”を弾き、録音に収めている。

ドビュッシー 前奏曲第1集より ”さえぎられたセレナード”、”パックの踊り”、”アナカプリの丘”

“さえぎられたセレナード”は、ギターの音色を模した官能性を秘めた曲である。一筋縄ではいかぬ男女の恋の駆け引きのようにそれは気まぐれで、朗々と唄われるセレナードは突然異質なものにさえぎられる。

” パックの踊り”のパックとは、シェイクスピアの”真夏の夜の夢”に登場するいたずら好きの妖精。ドビュッシーは、曲にタイトルをつけることによって演奏者 がイメージを固定してしまうことを好まなかったため、楽譜の最後に目立たぬようそれを書いたが、この曲から喚起されるイメージを我々は共有したい。

ナ ポリから船で40分ほどのところにあるカプリ島は、その優雅な姿をティレニア海の海面に反射させる。観光化が進み、スノビッシュになってしまったことは否 めないが、それでも夏の日を燦々と浴びた蒼い海と咲き乱れる花々の美しさを人々は今も愛し続ける。島は”カプリ地区”と”アナカプリ地区”に分かれ、こ の”アナカプリの丘”では、島に伝わるメロディーを楽しむことができる。

ベートーヴェン ソナタ第21番”ヴァルトシュタイン” 作品53番 ハ長調

数 年前、ウィーン郊外の墓地に眠るベートーヴェンの墓を訪ねた。夏だったせいもあり、緑生い茂る木漏れ日の園内を歩くのは心地よく、生前波乱の多かったベー トーヴェンがやっと休息できる場として申し分のないように思えた。1800年代に入ると、彼は耳を患い、経済的にも苦境に陥っている。ついには”ハイリゲ ンシュタットの遺書”を書くに至るが、それらを克服してさらに傑作を世に送り出していく。 ソナタ”ヴァルトシュタイン”は彼のスポンサーであった伯爵の名に由来する。このソナタはベートーヴェン中期のハイライトといえる作品である。この時期、 エラール社が楽器として完成度の高いピアノを開発し、より一層テクニックが雄大に示されるようになった。

(A shopping list scribbled by Ludwig van Beethoven. The list features soap, a mousetrap, a knife and a metronome:-))

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